こんにちは。
今日は「「よい子の中年」が魔女になる方法」というテーマで、伊藤亜和さんの『魔女になりたい』を紹介したいと思います。
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An it harm none, do what ye will.
害さぬ限り、汝の欲することを成せ
ーThe Wiccan Rede(魔女の戒め)
この本の最後に書いてあるウィッカの戒律です。ウィッカというのは、魔女を崇拝する現代宗教で、この言葉は、戒律をまとめたThe Wiccan Redeのなかでも、中心的な教えに当たるそうです。
ウイッカ(英: Wicca)は、ネオペイガニズム[注 1]の一派であり、欧州古代の多神教的信仰、特に女神崇拝を復活させたとする新宗教である[3]。ネオペイガニズムの一種である魔女術[1](ウイッチクラフト)のなかでも多数派を占めるとされ[4]、少人数で集団儀式を行うことを特徴とする[1]。主に英語圏でみられるが、日本にも存在する。ウイッカを信仰・実践する人をウイッカン(英: Wiccan)という。(出典:Wikipedia)
著者である伊藤さんは、18歳のときに父親と喧嘩別れし、その後28歳のときに結婚を報告するまで、10年間断絶状態になります。この本は、その10年間を振り返ったような内容なのですが、その10年はこの戒律の、後段「汝の欲することを成せ」を重視してきた若い頃から、前段の「害さぬ限り」を重視するように意識が変化していて行く過程のように感じられます。
例えば、お父さんはセネガル人のイスラム教徒で、伊藤さんはイスラム教を強制する父親に反発して絶縁します。また、自分のことを最も美しく写してくれる親友の写真家と雑誌の仕事で意見が対立して絶縁状態になります。いずれも汝の欲することを成した結果です。また、その逆に、相手が相手の意思を通すために伊藤さんが傷つく場面もでてきます。そして、この本では、10年間絶縁状態だった父親に結婚を報告するシーンで終わります。
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私はふたたび娘になった。こうしてまた自由を差し出し、私は地面に降りていく。でも、不思議とそれほど嫌ではない。長いあいだ、ひとりで飛んできた。ずっと遠くまで来たつもりだったのに、たどり着いたのは、もといた懐かしい場所である。
これは、「若いころにやんちゃして、中年に差し掛かるくらいで腰を落ち着ける」という、伝統的・保守的な価値観における、非常に健全な成熟の過程ではないでしょうか。その意味ではフツーのこと、と言えるかも知れません。
しかし、伊藤さんの言葉がこれだけ多くの人に受け入れられることは、現代ではそのことが逆に得難いものであることを示しているのかも知れません。つまり、若い頃には将来に対する不安や臆病さから落ち着かざるを得ず、中年になってから、そのことを後悔してなんとか青春を取り戻そうとするパターンですね。私は完全にそのパターンです。
他人に迷惑をかけるな、といった、日本人であれば恐らく全員が子供のころから刷り込まれ続けた共同体の論理が、自分自身の価値観に内面化してしまい、外部規範と区別がつかない状態になっている。その結果、「害さぬ限り」ばかり得意になり、「汝の欲することを成せ」が非常に困難です。
「よい子」のまま歳だけ重ねてしまった悲しき中年モンスター。そのような人間が魔女になるにはどうすればいいのでしょうか?
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単純に考えれば、伊藤さんとは逆、つまり「害さぬ限り」から「汝の欲することを成せ」に意識をシフトするしかないように思います。それは容易ではないでしょうから、気持ちとしては「害したとしても、汝の欲することを全て成せ」くらいの新しい宗教が必要かも知れません。教祖は、野村沙知代さんにお願いしたいですね。
Even if it harms, do everything you will.
害したとしても、汝の欲することを全て成せ
たまにSNSで発狂した中年が話題になりますが、彼らは狂ったのではなく、真実に目覚め、箒で空を飛ぼうとしているのかも知れません。(海に落ちてしまう未来しか見えませんが)。
本日は以上です。







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