こんにちは
今日は『ゼロからわかる生成AI法律入門』をご紹介したいと思います。
この表がすごく便利な気がしました。縦軸にAIを使うときに考慮すべき法律や観点があり、横軸にAIの活用段階が3つ示されています。こういった俯瞰図は何かを考えるときに共通理解として持っておくべき「地図」として機能するので、非常にありがたいですね。
例えば、生成AIで作ったイラストを会社の広報物に使用してよいのか?というとき、著作権を意識しなければならないのは何となく分かるわけですが、それはこの表の③の生成物の利用段階だけでなく、①のAIの学習段階や②のプロンプトの入力段階まで気にしなければならないわけですね。学習データやプロンプトの入力に著作物を利用していると、著作権侵害に問われる可能性があるんですね。
逆に気にしなくていいポイントがわかるというのも重要で、例えば商標権や意匠権は、①のAIの学習段階や②のプロンプトの入力段階では気にしなくていいわけです。これは、非常に便利ですね。
| ①学習段階 | ②プロンプトの 入力段階 |
③生成物の利用段階 | |
| 著作権法 | ○ | ○ | ○ |
| 個人情報保護法 | ○ | ○ | ○ |
| 肖像権・パブリシティ権 | ー | ー | ○ |
| 商標法・意匠法 | ー | ー | ○ |
| 不正競争防止法 | ○ | ○ | ○ |
| 消費者法 | ー | ー | ○ |
| 業規制 | ー | ー | ○ |
この表以外にも、どんな論点があり、現状の議論の方向性がざっくりわかります。例えばAIが契約の当事者になりうるか?というような論点については、契約の当事者になり得るのは自然人か法人とされており、少なくとも現在の法律の枠組みでは契約の当事者になり得ないという考えが一般的なようです。
正直、この本の内容は結構難しくて、AIも現在の法律の枠組みの延長で基本的には考えるので、既存の法律や権利についてある程度前提知識がないと、そこから先のさらに難しいAIへの適用を理解しながら通読するのは結構しんどいのかなと思います。私も、ざっと流し読みしたという形に近いです。
こういった本は、企業の法務に所属して弁護士と直接やりとりする方ですとか、実際にサービスの企画開発に従事する方が手元に置いておいて、「この場合どうだったかな?」と都度参照するような使い方に向いているように感じました。
本日は以上です。また次の読書でお会いしましょう。


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