私にとっての立花隆 世界は意図して作られている

日常

立花隆が亡くなった。

NHKの番組で「なぜ人類は癌を克服できないのか」というテーマで取材しており、その時既に自身も癌を患っていた。そして、QOLを落としたくないと言って、抗がん剤治療を拒否していたのを覚えていたので、ニュースを聞いたときは驚きもあったが「とうとう来てしまったか」という思いもあった。

少し時間が経ってしまったが、「この人だから」という名前で本を読む貴重な人だった。簡単に思い出?をまとめておく。

解説 地獄の黙示録 世界は意図して作られている

映画「地獄の黙示録」を解説した本で、彼の著作の中ではマイナーもマイナーだろうが、私はこの本で初めて「解説とは何か」を知った気がする。もう少し言うと、ある映画は「意図して作られたものである」と言うことを知ったのだ。

例えば、「映像研には手を出すな」と言う漫画がある。主人公は奔放な想像力で何気ない日常の風景から、壮大な設定やストーリーを作り上げる。これはこれで大した才能だが、結果として作品にはテーマ性がない。面白ければいい、ワクワクすればいいと言うスタンスで、その作品には時代に問いを突きつける批評性がない。早い話エンタメの域を出ないのだ。

しかし、地獄の黙示録は違う。ベトナム戦争というモチーフは当然存在したが、戦争の欺瞞というテーマ性とエンタメ性を高度に融合させている。DoorsのThe endというオープニング曲にも意味があるということを、映画というものがテーマ性を持って意図的に作られている、ということを、当時大学だっただろうか?ナイーブな私は初めて知ったのだ。

今でも赤い表紙の、この本が実家の本棚に眠っている。

「仕事」に対する姿勢

有名な田中角栄の研究はあまり覚えていないが、「猿学の現在」では彼のジャーナリストとしての、というより「仕事に対する姿勢」のようなものを知った。

ニュースで当たり障りのないお決まりの質問をするのではなく、事前に徹底的に資料を読み込み、相手が嫌がるような質問も平気で突っ込んでいく。京大の霊長類研究で有名な先生に対して、一歩も引かずに「痛いところ」を突いていた。このところは、NHKのサイボーグの取材でもよく表れていた。

その他の本では、香月泰男というシベリア抑留を体験した画家の本なども読んだ。秘書を選考する話なんかも結構地味だが面白い。私は彼のジャーナリストとしての評価などできようはずもないが、少なからず影響を受けた1人である。

私にとってのXXシリーズ

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