みなさんこんにちは。
今日は爪坂真吾さんの『風俗嬢のその後』をご紹介したいと思います。
なぜ風俗嬢になったのか?は、結構色々な本などで取り上げられることが多いように思いますが、どうやって辞めたのか?、その後どんな仕事についているのかについては、あまり多く語られることはないのではないでしょうか。この本は、風俗嬢へのインタビューを通して主に「どうすれば風俗から足を洗えるのか」について解説しています。
その前に、風俗はそもそも足を洗う対象なのか?という疑問もあるかも知れませんが、爪坂さん自身は風俗産業の必要性を認めつつも、「短期的な利益を最大化する仕組み」と捉え、必要とせずに済むならそれに越したことはない、というスタンスですね。この点については、本書のテーマとは外れるので深く触れられていませんが、確かに昼食がスキルを蓄積してキャリアアップしていくのに対し、夜職は時間とともに商品価値が減少していき長期間の就労が難しいこと。また、お客さんから容姿を褒められるなどのことはあるけれども、昼職的な意味での自己肯定感(self-confidenceより、self-esteem)が育まれにくいという点はあるかと思います。
では「どうすれば風俗から足を洗えるのか」というと、「精神的・経済的に支えてくれるパートナーの男性との出会いが最も確実な卒業方法であり、そのきっかけを作ることが福祉の役割り」としているんですよね。
ちょっと意外な結果ではないでしょうか。「結局男か」とか「女性は男性に依存せざるを得ないのなら、それは福祉の敗北では?」という疑問が湧いてきますが、1人では自己肯定感は高められないこと、信頼できるパートナーとの出会いは風俗に限らず全ての人にもっとも重要なこと、そして、福祉はそのきっかけを作ることが重要としています。
ちなみに、その後のキャリアとしては千差万別という感じで、介護、福祉、公務員、海外留学などのほか、医者やGAFAM正社員などの方もおられました。
まとめると
- 風俗は卒業すべき対象である
- そのためには精神的・経済的に支えてくれるパートナーとの出会いが必要である
- 福祉はそのきっかけを作る役割が期待されている
というところでしょうか。
何の異論もありませんが、私自身は「人のことより自分のことだよ」というヒカルの碁の越智のセリフがちらつきました。
本日は以上です。また次の読書でお会いしましょう。
self-confidence、つまり能力の見積もりと言う意味ではある程度自己肯定感が得られるかも知れませんが、self-esteem、つまり能力や状況に限らず、自分自身の存在に肯定できるか、こちらの意味での自己肯定感を獲得することが難しいのかなという気がします。


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