[本の小並感 138]経済は感情で動く 言語化の威力をサラリーマン生活に応用したい

読みたい本が本当になくて、週末に本屋をぶらついても何も買わずに店を出る日が続いた。最後の読書は1ヶ月も前の9/20の音速平和だ。

その音速平和は、名付けられた際に「こぼれ落ちたもの」に光を当てようという試みな訳だが、この本は逆に人間の非合理的な行動様式に名前を与え、征服可能な対象として把握しようという試みだ。

増殖する価値の運動体

少し脱線するが、下記の動画で田端さんが「資本」という言葉の定義を紹介している。分かったような分からないような用語は多いが、資本もその一つでモヤモヤしていたが、マルクスはこれを「増殖する価値の運動体」と定義したらしい(14:00くらい)。これにはシビレタ。言語化できるということは、自分のものとして使えるということだ。

この本でも、普段は意識できない自身のバイアスや非合理的な思考・行動を言語化してくれる。

お金の秘密:追えば追うほど、お金は逃げる!〜資本を創り、価値を作れ!【これからのお金の教科書:著者本人が動画で解説】

1. アンカリング効果

医者Aは、11歳の子供の45 %に扁桃腺除去手術が必要と判断した。しかし医者Bは、Aが手術は不要とした子供の46 %に手術が必要と判断し、さらに医者Cは、Bが手術は不要とした子供の44 %に手術が必要と判断したという。

嘘のような話だが、アメリカ小児保険協会の調査結果である。この場合、手術が83 %くらい(?)が手術が必要ということになってしまう。このように、一度決まった基準に後続が引きずられる現象をアンカリング効果といい、値引きは元の値段を取り消し線で消しておいたほうが安くなったと感じやす点や、会議の最初の発言者が「参照点」を設定してしまい、議論があらぬところに向かってしまうような場面にも顔を出す。

2. プロスペクト理論

価値はその絶対値ではなく、基準となる参照点からの変化で示されるという理論で、カーネマンはこの理論でノーベル賞を受賞した。下記の図はシンプルだが、右上が凸型で、左下が凹型でことから、得をするときは確実性を好む「危険回避」、損をするときはリスクに向かいやすい「危険追求」の傾向があることなどを示している。自分が損をしていなくても、他人が儲かっていると妬ましいというような事象も参照点からの比較で物を考えるからだ。

その他にも、絶対的な効用(喜びや苦痛)よりも、そのピーク値と終わったときの値とで、その体験の印象が決定するピーク-エンド理論など、いろいろ知らない単語が紹介されている。

んで

総じて悪くはなかった。まるでNHKの教科書のように分かり易い。しかし、その分やや退屈で刺激にかける。XX万円もらったら…というような非現実的な場合より、サラリーマン生活に応用した事例で説明すれば個人的に刺さる、気がする。多分メルカリで売る。ずっと取っておくような本ではない。

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